01. トゥルーマン・ショーの先に
02. 悩むもの
03. 苦いもの
04. 子供っぽさ
05. 多元宇宙論
06. 銀河の詩篇
07. 柴っぽいもの
08. プレゼントなもの
09. 暖かいもの
10. 生命の賛歌
11. 吉光
12. 現実 手形を添えて
アルバム全曲試聽:
https://killerblood.bandcamp.com/album/no-one-knows-you-dont-talk
トゥルーマン・ショーの先に
After The Truman Show .- ..-. - . .-. / - .... . / - .-. ..- -- .- -. / ... .... --- .--
往年の名作映画『トゥルーマン・ショー』から年月を経て、今や人々が互いを観察し合い、覗き見し合うためのツールが更に普及し、いっそ当たり前のようになっている。プライバシーというものは、さながら南極の氷山のように驚きの速さで消えつつある。毅然として観客に深く一礼して、用意された舞台から降りた後、僕たちは一体、誰と肩を並べればいいのだろう。本物の莫逆の友は、誰なのか。咲き乱れる花火と祭りの喧騒が如何に華やかであろうと、その針の如き小さな焦燥感を誤魔化せるものだろうか。
悩むもの
Something Worried ... --- -- . - .... .. -. --. / .-- --- .-. .-. .. . -..
たとえ宇宙船に乗って地球から脱出できるとしても、心に付き纏う憂鬱は消えないだろう。ならば、心理的な不快感は生理的な方法で解消しよう。そうすれば或いは、悩みの道から暫し離れて、違う風景を見ることができるかもしれない。たとえば、古びた人形のように手足を揺らしたり、寂れたフリをしたり、ざっくばらんに涙を流したり、狂ったように頭を振ったり、ふくれっ面で愚痴をしたり。カーニバルのような宇宙鬱憤晴らしパレードをやろうじゃないか。
……一番気が滅入るのは、帰りの切符を既に買ってあったことかもしれないな……
苦いもの
Something Bitter ... --- -- . - .... .. -. --. / -... .. - - . .-.
谷底にいた時のザマに慣れてしまえば
どこに行ってもうろたえることはないってことだよ
自分のあがく姿をよく覚えといて
繰り返せない悪夢ってのも希少価値でしょ?
静寂の中の感情の波動はいつだって意志を揺るがすもの
たぶんそういうことだろうね
子供っぽさ
Childish -.-. .... .. .-.. -.. .. ... ....
床一面の古い写真に、ちょっと錆の匂いをする箱がちらほらと。中のおもちゃは、撫でると思い出の色がする
好きな人の姿が目の前をよぎると、ますます複雑な顔になる。今どこにいるんだろう?何をしているんだろう?
人生の中で何度も綺麗に並んでた稚い面影が浮かび上がっくる
あの頃の足で走ってた時の踏み込みはまだ覚えている
息を切らしながら顔に滲み出た微笑みも
何度かしか無かったトキめきも
誰かが僕を
呼び戻している
多元宇宙論
Multiverse -- ..- .-.. - .. ...- . .-. ... .
現実の分かれ道は数多にあり、選ぶごとに違う道へと進んでいく。
だがこの広い宇宙の中には、互いに出会う可能性も少なからずある。
平行宇宙に存在する微妙な違いは、いろんな手がかりとヒントに変わり、日常の中にかすかな輝きを放っている。
忘れられたと評される物事は、本当に体験したことがあるものなのか?
瞬いたら、もう違う次元なのかもしれないよ。
もう一度、お確かめください。
銀河の詩篇
A Poem Of Galaxy .- / .--. --- . -- / --- ..-. / --. .- .-.. .- -..- -.--
夜更かしを続けながら
己のちっぽけさを見ている
外にも内にも無限に広がり
この体も、その在処たる地球と太陽と銀河も
忘れられた冥王星を越えてやっと旅が始まり
更に数十年を経てようやく己が理解ってくる
どこにまた巨星が墜ちたか
どの器官が新しい細胞で修復されたか
などなど、夢幻の旅路である
そして夜更かしを
深く夜更かしを
この永き夜を
逃すことが怖くて
柴っぽいもの
Something Shiba ... --- -- . - .... .. -. --. / ... .... .. -... .-
柴犬が光あれと云えば、そこには光があった。
柴犬が闇あれと云えば、そこには闇があった。
柴犬があなたを覗く時、あなたもまた柴犬だ。
一人は万の柴犬の為に、万人はみんな柴犬だ。
我が柴を柴って、人の柴さを柴れ。
プレゼントなもの
Something Pleasant ... --- -- . - .... .. -. --. / .--. .-.. . .- ... .- -. -
現実と夢を隔てる薄膜を越え
小さな次元跳躍をすると
君は暖かいベッドの縁に来た
溜まった宇宙ゴミをバラ撒きつつ
出来るだけ優しく
キラめく欠片を残しては
黒い煙に乗ってぽっぽと去っていった
そのせいで僕は望遠鏡を抱えて
眼に消えることのない赤みが出来てしまったのだ
暖かいもの
Something Warm ... --- -- . - .... .. -. --. / .-- .- .-. --
繋がりとは糸のような、軽くて儚いものだけれど、しっかり掴んで、ゆっくり近づく過程には、奇妙な面白みがある。
こんなにも広い星空の下に、他愛のない会話をする僕たちは、微かながらも、温もりを生み出している。
生命の賛歌
Carol of Life -.-. .- .-. --- .-.. / --- ..-. / .-.. .. ..-. .
思い出だらけの広場に
眩しすぎる夕焼け
祭りが終わって初めて
楽音/紙吹雪/バタバタ足音/ねずみちゃんたち
敷石と泥が奏でるもう一つの楽章が耳に入ってくる
なにか言えればよかったのに
素朴な涙/表情の無い顔/勤勉な楽器
どれも無力になっていく
路上が静かになりすぎるのを心配しながら
とてつもなく重々しくなる時もある
この黒衣を身に纏って、いつまで共に歩いていけるのだろう
心安くしてくれる君と
君が心を許していた僕
終末への道はこんなにまばゆくて
来世はすぐそこにある
こんなにきらびやかに
小さな部屋へと帰り着く
吉光
Momentary Bliss -- --- -- . -. - .- .-. -.-- / -... .-.. .. ... ...
王様へ
度重なる冒険の中に
己の底知れぬ核を掘り進んできたあなたは
無数の眠りを経つつ
何度かの飢えと寒さを堪えて
偶には病を患い、悪夢に魘されることもあられました
「偉大なる冒険に嫌な思いは付き物だ」と
あなたは仰りました、黄金色を身に纏いながら
あなたは人々の単純な笑顔を疑い
嫉妬の目を恋しく思っていらっしゃいますが
大臣たちは互いに顔を見合わせ、迷っておりました
あなたのありきたりなご境遇をどう編纂すれば良いかと
あなたの涙は皆のそれとは何ら変わらず
憤怒や感慨に珍しいところもありはしません
私どもめが漁りに漁って見つけた一番尖っている物は
ビロードと鎧に囚われた寂しさでございました
いずれおわかりいただける日が来るかもしれません
目障りで罪深い荊棘は
華やかな冠と金箔を被せた視界から離れれば
単なる素朴な助言に過ぎなかったこと
吉光という名の神獣は
悔しくも虚構なる餌でしかなかった
怒りに歯を食い縛り人を断罪される前に
城の民たちは憂えながら望んでいるのです
あなたに安らぎをお見つけになる日が来られることを
現実 手形を添えて
Reality With Scars .-. . .- .-.. .. - -.-- / .-- .. - .... / ... -.-. .- .-. ...
国のために冷たいラブポエムを書こう
民には刃を食わせていて
食欲わかずに七千日目
体中が赤く腫れ上がって
信仰は戦争に変わり
涙はキスに代わる
せっかく生き延びた肉なのに
偶に食料になったという意識が残り
食卓に出されても食えたものではないし
荒唐無稽さが入りすぎている
犬歯と臼歯がぶつかり合う
苦難と骨肉を切り離して
心臓に鼓動を続けさせる
キスは涙にもどり
戦争は信仰へと洗われる
七千一番目の家畜は
刀を噛み砕いている
国のために
和訳:Kinra
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